論文がアクセプトになりました!オスマウスのUSV発生のテストステロンと発達の関係です。

"Testosterone regulates emission of ultrasonic vocalizations and mounting behavior during different developmental periods in mice" in Developmental Psychobiology.

Takefumi Kikusui1#*, Yuichi Shima2#, Miku Sonobe1, Yuuki Yoshida1, Miho Nagasawa1, Kensaku Nomoto1, Kazutaka Mogi1

1 Department of Animal Science and Biotechnology, School of Veterinary Medicine, Azabu University. Sagamihara, Kanagawa, 252-5201, Japan

2 Department of Anatomy, Kawasaki Medical School, 577 Matsushima, Kurashiki, Okayama 701-0192, Japan1 Department of Animal Science and Biotechnology, School of Veterinary Medicine, Azabu University. Sagamihara, Kanagawa, 252-5201, Japan

2 Department of Anatomy, Kawasaki Medical School, 577 Matsushima, Kurashiki, Okayama 701-0192, Japan


マウスはメスと出会うと超音波領域で音声を出します(ultrasonic vocalizations, USVs)。これはオス特異的と考えられていますが、それがなぜ性差を生むのか不明です。今回、メスにテストステロンを処置することで、USVや性行動がどのように獲得されるのか、またオスでテストステロンが産生できないマウスではUSV発声がどのようになるのか、を調べました。メスに周産期や発達期にテストステロンを処置することでUSVが見られましたが、成長後ではテストステロンの処理ではUSVの発現が認められないものの、性行動は発現しました。オスで胎生期のライディッヒ細胞を欠損したオスマウスでは、成長後のUSVも性行動も消失しました。一方、胎生期ライディッヒ細胞の部分欠損マウスでは、周産期のテストステロンは分泌されませんでしたが、成長後のテストステロンが分泌され、USVも性行動も発現が確認されました。

オスマウスとメスマウスで多少の違いがありましたが、周産期のテストステロンがUSVの発声にかかわる神経回路を形成し(組織化作用)、成長後のテストステロンはさほど必要不可欠ではないことがわかりました。これらのことは、性の発達とゆらぎを調べる上で、重要な知見といえます。

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